バロキサビル マルボキシル
バロキサビル マルボキシル(英: Baloxavir Marboxil)とは、塩野義製薬が開発した抗インフルエンザ薬の一つ。商品名はゾフルーザ(英: XOFLUZA)。
概要[編集]
2018年3月より販売開始した新薬で、吸入の必要があるラニナミビルや、5日間飲み続ける必要のあるタミフルと違い、単回の経口投与でA・B型両方のインフルエンザの治療が期待できる画期的な薬剤である。10mgまたは20mgの錠剤であるが、2025年11月より、低年齢の小児などのために2%の顆粒での販売も開始した。
薬価は高く、20mg1錠で2438円である。
情報[編集]
- 一般名: バロキサビル マルボキシル
- 分子式: C27H23F2N3O7S
- 分子量: 571.55
- 融点: 約228℃で分解。
- 性質: 白色〜淡黄白色の粉末で、水に極めて難溶、メタノール及びエタノールに難溶で、アセトニトリルにやや可溶、ジメチルスルホキシドに可溶。
効能[編集]
A型・B型インフルエンザの治療及び予防。なお、稀にインフルエンザウイルスに耐性が見られるケースが見られるため、必ずしも効能が現れるとは限らない。
また、当然ながらインフルエンザでない(または合併しての)細菌感染症には効かない。
作用機序[編集]
インフルエンザウイルスのmRNAの合成に必要なRNA断片を宿主細胞のmRNA前駆体から切り出すキャップ依存性エンドヌクレアーゼの活性を阻害することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する。
副作用[編集]
過敏症のある場合、強いアレルギー反応 (ショック、アナフィラキシー)が見られる場合がある。また、出血や虚血性大腸炎などの副作用が見られることもあり、血便や鼻血などが見られた場合は医師による確認・処置が必要とのこと。
なお、インフルエンザ罹患時には異常行動が見られることがあるが、薬剤との因果関係は不明である。
用法・用量[編集]
インフルエンザの治療[編集]
12歳以上の小児及び成人においては、体重が80kg以上であればバロキサビル マルボキシルとして80mg (20mg4錠または顆粒8包)、80kg未満であれば40mg (20mg2錠または顆粒4包)で、12歳未満の小児では、体重10kgまでは1kgあたり1mg (1mgは顆粒50mg)、10kg以上20kg未満であれば10mg (10mg1錠または顆粒1包)、20kg以上40kg未満であれば20mg (20mg1錠または顆粒2包)で、40kg以上であれば40mg (20mg2錠または顆粒4包)である。
なお、症状発現から48時間経過後の服用において有効性は確認されていないため、症状発現から速やかに服用すること。
インフルエンザの予防[編集]
12歳以上の小児及び成人においては、体重80kg以上は80mg、未満なら40mgで、12歳未満の小児においては20kg以上40kg未満であれば20mg、40kg以上であれば40mgで、20kg未満は予防において服用しない。
なお、感染者と接触後48時間経過後の服用において有効性は確認されていないため、接触後2日以内に服用すること。また、10日以上の予防効果は確認されていない。
相互作用[編集]
併用するとプロトロンビン時間[1]が延長する事例が確認されている。機序は不明。