バスク・オム
バスク・オム (Bask Om) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』などに登場する架空の人物。地球連邦軍の特殊部隊「ティターンズ」の総司令官で階級は大佐。特徴的なゴーグルをかけている。(声優:郷里大輔)
概要[編集]
生年は不明だが、『劇場版ΖガンダムI』のパンフレットには37歳と設定されている。徹底したアースノイド至上主義者。近藤和久の漫画『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』によれば一年戦争時にジオン軍の捕虜となり、その際受けた拷問で視覚障害を負いゴーグルの着用を余儀なくされたことが、スペースノイドへの憎悪を抱かせる原因になったと考えられている。なお一説によると、彼が拷問を受けたのは南極条約締結以前であり、捕虜への拷問や虐待が法的に規制される前であったとされる。また、ジオン軍による拷問を受ける前から、アースノイド至上主義者で、スペースノイドを蔑視していたともいわれている。 なお、階級は地球連邦政府軍参謀本部付の大佐だが、ティターンズは全員一階級上の扱いを受けるため、准将としての態度を取っていた。
劇中での活躍[編集]
宇宙世紀0083年のデラーズ紛争では、第1地球軌道艦隊司令代理としてソーラ・システムIIでのアイランド・イーズ破壊の指揮を執るが、アナベル・ガトー達の妨害によりコントロール艦を落とされ失敗したため私怨により、直後に残ったソーラー・ミラーを集中させる二次攻撃で味方艦隊諸共デラーズ・フリート残党を一掃する凶行をおこなう。デラーズの演説時にはコーウェンの配下となっており、直属のコリニー=ジャミトフ一党の政敵に対するスパイとしての役割も担っていたものと推測される。
戦後、ジャミトフ・ハイマンによって「ティターンズ」が設立されると、ジャミトフの腹心として連邦内の勢力拡大に動くが、ジャミトフに個人的忠誠を注いでいた訳ではなく、スペースノイド弾圧の方便が与えられるからジャミトフの下にいる感が強かった。ティターンズが連邦内での公的な制約を失うに連れて独断専行の姿勢を強め、ジャミトフの危惧を買う。 宇宙世紀0085年7月、サイド1の30バンチコロニーにおいて反連邦のデモが起こると連邦政府の要請に応じ、デモを鎮圧する。その際コロニー内に毒ガスを注入し1500万人もの住民を虐殺する(30バンチ事件)。非武装の市民に対するこの対応はバスクの常軌を逸した非道さを証明している。この事件は報道管制により隠蔽され、以後ティターンズは連邦政府を恫喝する形で支配下に置いていく。
宇宙世紀0087年3月、グリプス戦役が勃発。ジャマイカン・ダニンガン等多くの士官を従え、エゥーゴと交戦する。ティターンズの総司令官として指揮を執るが、ガンダムMk-IIを略奪したカミーユ・ビダンの両親を人質にしたり、中立を表明し非協力的なサイド2に対してはグリプス2(コロニーレーザー)を照射したり、毒ガス攻撃を仕掛けるなど残虐非道さを見せる。劇場版ではエゥーゴなど敵対組織においては彼=ティターンズというイメージが蔓延しており、徹底的な悪役として描かれる。また、ジャミトフがパプテマス・シロッコを登用したことは自身への牽制であることを自覚していたのか対抗意識を燃やす。
※部下を殴りつけるシーンが何度かあり、彼に殴られたものは文字通りぶっ飛ばされて床に倒れているが、レコアだけは立っていられたのはバスクなりに女性に対しては手加減したと思われる。
しかし、ジャミトフの死後の宇宙世紀0088年2月、内紛をおこしたシロッコの配下であるレコア・ロンドのパラス・アテネ(劇場版ではヤザン・ゲーブル率いるハンブラビ隊)の攻撃を受け、乗艦ドゴス・ギアと共に爆死する。小説版での最期は多少異なり、エゥーゴに奪取されたコロニーレーザーの照射を受けて戦死している。作者の富野由悠季は、自分がいつ死んだのかすら分からないまま散った彼の死に方を「考えようによっては幸せな事」と表現している。