ナール
ナールとは、書体の一つで、写研の書体の丸ゴシック体の一つ。書体の分類は、丸ゴシック体系の一つ。書体デザイナーの中村征宏が開発してデザインし、写研として発表し、1973年~1980年前後にかけて発売された丸ゴシック体。
ゴナと並び、古くから使われている書体で、相対的な古さを感じる書体である。代表的な写研の書体である。ナールが、相対的な古さを感じる書体、相対的に古い書体の理由と原因は、写研の時代から来ていることが関係してきたからである。
ナールは、1970s丸ゴシックを象徴するデザインである。
作者・書体デザイナーの「中村征宏」の頭文字のカタカナか、ナカムラの「ナ」と、丸みを帯びた形状(ラウンド/Round)の頭文字「R(アール)」を合わせて名づけられたものから来ている。
線の太さは、角や端以外である線の途中は、縦横幅ともに、均一な太さのストロークを持ちつつ、ふところが広い。
ナールの設計構造が持つイメージ・表情は、やや壮大で、温かみがあり、素直な表情を持っている。多くの異なる用途に共通で使用でき、多目的に活用できるイメージを持っている。
ナールの書体の太さ(ウェイト)は、ナールL、ナールM、ナールD、ナールDB、ナールE、ナールHの6段階ある。ナールの太さ順(細い→太い)は、L→M→D→DB→E→Hとなる。
ナールの文字の太さで、お勧めなのは、「ナールD」「ナールDB」である。
ナールDBは、後から登場したもので、1987年に発売されたものである。
文字入力、文章作成の際には、タイトルはナールD、中の見出しはナール□、本文の内容はナールDを用いる。
ナールDは、近くや遠くからでも、視認性が力強くしっかり目立ち、「強さ」と「読みやすさ」のバランスが最も調和し、黒地に白文字でも、コントラストがはっきりしており、サイン表示、文章、本文、見出し、案内文、広告やテレビのテロップ、雑誌、ポスターのメインタイトルといった、全ての用途共通をカバーでき、実用性が一番高く、使いやすい用途に向いている。
ナールの太さにおける豆知識において、重要な注意点がある。ナールの書体における太さの記号で、「ナールD」と「ナールDB」は別物であり、「ナールD」は「ナールDB」より1段階細い。「ナールD」の「D」は、定義的に、命名は、「DB(デミボールド)」から「B(ボールド)」を外したもので、MとDBの間に、新たに設けた段階の太さを示すための経緯であり、単なる「デミ」の略で、「デミ」単独では「半分、中間」「標準的なデミ」という意味で、つまり、位置付けは、太さの「デミ・半分」は、「標準寄りの太さ」「半分のボールド=セミボールド(SB)」という意味で、中と中太の中間で、中(Medium)に近い太さで、ナールDは、ナールSBのことである。理由は、「DB」は、「デミボールド」の略で、中太のことで、DとBの中間の太さで、「デミボールド(DB)」は昔から定着していた太さの名称であり、DBでデミボールドの略が昔から使われており、ナールDBの時点でデミボールドを意味している。DBがデミボールド、Bがボールドなのに、単にD単独だと、一体何の略と混乱・困惑が生じたエピソードが、当時の制作秘話として残されていた。
書体の太さの記号で、こうした「D」のような単体記号が生まれたのである。
他の書体との違い[編集]
ナールの書体の太さを、ゴナと同じ太さの値に換算すると、「ナールL≒ゴナM」「ナールM≒ゴナMとゴナDの中間?」「ナールD≒ゴナD」「ナールDB≒ゴナDB」「ナールE≒ゴナB」と同じ太さになる。
もし、ナールがMicrosoft Wordのフォントに付いた場合[編集]
ナールを、Microsoft Wordの書式設定に換算すると、文字の太さ設定「Bボタン」を押しても、文字の太さはBボタンオフ時のまま変化無しに固定され、フォントの設定が「ナール」の場合は、最大の太さは一律でDBに固定しなければならず、「ナールD」「ナールDB」の2つとなる。従って、予め用意できる最大の太さをDBまでに抑えるべきである。
写研の書体が、2024年10月に、モリサワでデジタル(OpenType)フォント化されたものに影響を与えている。写研のフォントが、モリサワにてデジタルフォント化で再現されて発売される前の2024年前半までは、パソコン環境において、Microsoft Wordのフォント、DTP、Windowsのコントロールパネルでは一切対応せず、フォントデータとして入れることが全くできなかった関係に影響を与えている。
ナールの書体を、Microsoft Wordの行間を作る上下のスペースに換算すると、「MS 明朝」と同じく、グリッド線1行分を1行に固定しなければならない。理由は、Microsoft Wordの書体で、「MS 明朝」は、文字サイズが14未満(13.5まで)なら、行間の上下のスペースが、グリッド線1行分が1行に収まるサイズになるからである。上下余白を「MS 明朝」相当にして、Wordの文字サイズが14未満1行に収まるようにすべきである。
ナールの全角文字は、各文字の左右の幅は、「MS 明朝」と同じく、全て同じ等幅でなければならない。
用途[編集]
本文の内容がナールの本は、絵本「ぼくのうちに波がきた」で活用。道路標識や、交差点にある、交差点名標識の看板に使われている書体である。