トラス橋
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トラス橋とは、幾本かの構造材を三角形に組み、格点をピン結合した骨組み構造物であるトラスで橋桁を支える橋梁である。
入門編[編集]
力の釣り合い[編集]
一点に作用する多数の力の合成について考える。原点Oに作用する の各力のx軸上の分力 y軸上の分力 は次のとおり。
概要[編集]
構造が簡単で、設計、製作も容易であり、強度も剛度も大である。交通量の少ないものや水道橋には三弦トラスをもちいることがある。支点間を長く取れる長所がある。鋼橋ではスパンが50m以上になると、プレートガーダー橋よりもトラス橋の方が有利になる。最近では、ゲルバー桁や連続桁形式の橋梁のスパンが延びてきた。しかし、トラス橋は50~300mの比較的長い距離のスパンを持つ場合が有利である。
構造[編集]
- トラスの計算上の仮定
① 各部材は摩擦のないヒンジで結合されている。
② 各部材は直線材である。
③ 格点の中心を結ぶ直線は部材の軸と一致する。
④ 外力は全て格点に作用する。
⑤ 全ての外力の作用点は、トラスを含む平面内にある。
種類[編集]
弦の形による分類[編集]
- 直弦トラスは上下両弦材が平行となっているトラスであり、短柱が垂直の場合と傾斜している場合とがある。直弦トラスは、設計、製作、及び架設などの点で曲弦トラスよりも優れている。
- 曲弦トラスはトラスの高さを曲げモーメントに応じて端部を低く、中央部を高くしたトラスである。上弦材の格点を二次放物線上に乗せれば合理的なものとなる。支間が55~60m以上になると曲弦トラスの方が直弦トラスよりも経済的になる。
腹材の配列による分類[編集]
- ワーレントラス
- 二等辺三角形が横に連なったトラスである。位相が90度進んで重なったものが下記に示すダブルワーレントラス (ヒシ形トラス)である。
- プラットトラス
- 直角三角形で組まれ、斜材が内側に向いたトラスである。鋼橋に適し、20世紀半ばまで鉄道橋に採用された。
- ハウトラス
- 直角三角形で組まれ、斜材が外側に向いたトラスである。小規模な木造に用いられる。
- Kトラス
- 腹材をK形に組んだトラスである。
- ヒシ形トラス
- ダブルワーレントラスである。主構で用いるときには不安定構造であるので、各部格点を剛にする必要がある。この形式は横構としてよく利用される。
- 分格間トラス
- 特に大きなトラスで、トラスの強度を増すために部材で補強したものである。ペンシルベニアトラスともいう。澱川橋梁が有名。
- ポニートラス
支持方式[編集]
- 単純桁
- 二つの橋脚間で支持される方式である。一般的な方式である。
- 連続桁
- 複数の橋脚間で支持される方式である。
- ゲルバー桁
- 片持ち梁の上に橋桁を載せた形式である。
通行方法[編集]
- 上路
- 橋脚を短くできる長所がある。深い谷底を渡るときに採用される。
- 中路
- 中途半端で採用例が少ない。
- 下路
- 下部に十分な余裕が欲しいときに採用される。圧迫感があるが、鉄道橋に採用例が多い。
トラスの安定と静定[編集]
- 判別式
- 全体
- 内部的
- 外部的
- 不安定
- 安定、静定
- 安定、不静定
- m - トラスの総部材数
- j - 総ヒンジ数
- r - 反力数