ダクネス

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ダクネス
井上麻里奈(オーディオブック)・茅野愛衣(テレビアニメ)

ダクネスは、暁なつめによるライトノベル作品『この素晴らしい世界に祝福を!』に登場するキャラクター、同作のメインヒロインの一人。

概要[編集]

壁になって攻撃を受けるのが得意な女騎士(クルセイダー)。身長は170cm前後。誕生日は4月6日。一人称は「私」。

故郷では「ダスティネス卿」と呼ばれる貴族の娘。

大貴族ダスティネス家の令嬢[注釈 1]

貴族令嬢としてそれらしい振る舞いはしながらも、自ら痛みを受けて快感を得ることを何よりも好み、魔王軍に対しては「蹂躙して無理矢理言うことを聞かせられる」、モンスターに対しては「強い痛みを与えてくれる」などと勝手に認識しており、戦闘になれば何とか攻撃を受けようと最前線に躍り出ては皆の盾になるという建前で「的」になり、また味方からの攻撃魔法で敵もろとも標的にされる事に無上の喜びを感じている。自分を妻に娶ろうとする男は、見た目冴えない甲斐性なしで年中発情しているスケベなのは必須条件、借金をダクネスの体で稼がせようとする男をタイプとするなど、身体的に痛みを受けることや内面を口汚く罵られることを望む真性のドMであり、魔王軍やモンスターとの戦闘になれば何とか攻撃を受けようと最前線に躍り出、また味方からの攻撃魔法で敵もろとも標的にされる事に無上の喜びを感じている[注釈 2]興奮すると言動がやや幼児退行[注釈 3]する。

また聖属性(アクアの浄化魔法の巻き添えや涙など)に当てられてウィズが弱ってしまった時はカズマのドレインタッチを介して体力を分け与えるのも専ら彼女の役目[注釈 4]

元々ダメな男が好みであったため、アルダープの陰謀からダクネスのみならずダスティネス家そのものを救うと、その思いは確実のものとなる。とうとうカズマに告白するが[注釈 5]、めぐみんがいることを理由に振られた。

攻撃は全く当たらない反面、スキルポイントの全てを防御系スキルに割り振っており、鎧もアダマンタイトを少量含んだ特注品のため防御力は並外れて高い[注釈 6]

二人きりになった時などはカズマにアプローチを仕掛けては途中で誰かに見つかるのが定番であり、その度に「エロネス」や「痴女ネス」などと呼ばれたりしている。

ハンスがポイズンスライムに変態した際には飛び散った猛毒の破片から仲間のみならずアクシズ教団の教徒を身を挺して助けているが、猛毒に対しては防御スキルで生命の危険はない反面、解毒に激痛が伴い本人曰く死ぬか死なないかの瀬戸際に快感を覚えている。また、アルカンレティアを訪れた際もエリス教の信者である事を理由にアクシズ教の信者達から酷い仕打ちを受けても平然と快感を覚えていたばかりか、ペンダントを外すようカズマから指摘されてもなお断り続けたり、挙句の果てには「ここに住まないか」と発言するなど、性癖を発揮している。

実家の影響力が高く、貴族としての権力はとてもあるものの、少々頭が堅く権力を行使することを良く思わないとも考えており「滅多な権力行使はしない」と決め込んでいる。カズマが裁判に掛けられた際は極刑になるところを処分保留に留めたり、カズマ達から緊急事態としてアテにされた時のみ渋々権力を使っている。普段はクールかつ生真面目で、自分への罵倒はご褒美にしかならないが、それが仲間に及ぶと一転、容赦がなくなる。カズマに対して好き放題言っていたミツルギに「礼儀知らずにもほどがある」と激昂したり、冬将軍に殺されたカズマがアクアの手で蘇生した際はめぐみんと共にカズマに抱きついて喜んだり、カズマが裁判に掛けられる事になった時は裏切り見捨てようとしたアクアやめぐみんとは違って最後までカズマを庇うなど非常に仲間想いである。アイリスがカズマの功績を疑う発言をした時には一貴族に過ぎない身分であるにも関わらず王女であるアイリスの頬を叩き謝罪を要求、激昂したクレアの剣の一撃を生身の片腕一本で止めカズマを庇うなど、パーティへの想いは一国の王女への忠誠心よりも大きい事を身を以て示している。

冒険者としての職業はクルセイダー。パーティーにおける唯一の前衛として、敵の攻撃を一手に引き受け、その特性として悪魔などが使う暗黒系魔法にも耐性がある(ただし呪術系には耐性がない模様)。スキルポイントをすべて防御系・挑発系のスキルに割り振っているため、耐久力は魔王軍幹部の攻撃やめぐみんの爆裂魔法、果てはバニルの殺人光線にも耐えるほどの頑強さを誇るが、それはスキルの効果だけではなく父方の頑丈な体、母方の高い魔法抵抗力を受け継いだ結果という面もある。その一方で、攻撃系のスキルは「両手剣」といったごく基本的なものも含め全く習得していないため、一部の例外を除き、攻撃は全くといってよいほど当たらない。本人は不器用であることを理由にしているが、実際は「モンスターと必死に戦うも力及ばず敗北し、陵辱の限りを尽くされたい[1]」という願望を秘めており、敵を倒してしまうと敵の攻撃に耐える快感を得られないからである。

そのため、敵の攻撃を防ぐ「壁役」が必要な場面では活躍するが、壁役が特に必要ない戦闘では何の役にも立たずに終わってしまうことも多く、周囲から「貴族の令嬢であること以外は要らない子」呼ばわりされることもある。特に小説第11巻では安楽王女から影が薄い、存在感があまりない、自分の代わりにアダマンマイマイを連れて行っても結果はあまり変わらないなどと言われたらしく、相当ショックを受けている。本人もそのことを負い目に思っている節はあるが、それ以上に前述したシチュエーションのほうが重要らしく(ダクネス曰く「手加減してわざと攻撃を受けるのは違う」「必死に戦った上で圧倒されるのが気持ちいい」)、パーティーのために爆裂魔法を封印して上級魔法を習得しようか迷ったことのあるめぐみんと違い、「両手剣」などのスキルを習得しようとする様子は全く見られない。ただし腕力はあるため素手での喧嘩になったときは滅法強く、カズマからいっそのこと戦闘でも素手で戦った方が良いのではと呆れられることもある。

なお、クルゼイダーという職業は本来神聖魔法も多少使いこなせるのだが、ダクネスは(おそらく「両手剣」などのスキルを取らないのと同様の理由で)神聖魔法は一切習得していない。

カズマのパーティーに加入する前、ダクネスは冒険仲間のいない「ぼっち」であった。敬虔なエリス教徒であり、「自分に仲間が出来ますように」とエリス様に毎日熱心にお祈りしたところ、見かねたエリス様が盗賊クリスの格好でダクネスの前に現れ、ダクネスの最初の冒険仲間になってあげた。その後カズマと出会う前は、クリスと共にパーティーを転々としており、ダクネスがカズマたちのパーティーに加入しようとしたときも、ダクネスはクリスにそのことを相談している。

アクアの張った「上級職限定」メンバー募集の張り紙を見て、めぐみんの後に加入希望者としてカズマたちの前に現れる。その動機は、カズマ達がジャイアントトードの討伐に行った際にアクアとめぐみんが酷い目に遭う姿を偶然目撃し、カズマ達と行動すれば自分も酷い目に遭えるかもしれないという、既にこの時点で救いようのないものであった。カズマは、初対面時こそ自分より年上で、金髪碧眼の美女であるダクネスに見惚れるが、攻撃が全く当たらないと聞いて丁重にお断りしようとする。しかし、毎回モンスターに袋叩きにされるかも知れないと言われても「望む所だ」、カエルに捕食されて粘液まみれにされるかも知れないと言われても「むしろ望むところだ!」と、その異常な性癖をむき出しにしてカズマをドン引きさせる。

そして後日、カズマがスティールでめぐみんのぱんつを奪ってしまったところを目撃すると、普通の女性ならドン引きするところだが、ダクネスは「やはり私の目に狂いはなかった! こんな幼げな少女の下着を公衆の面前で剥ぎ取るなんて、なんという鬼畜・・・。是非とも私を、このパーティーに入れて欲しい!」と強く加入を懇願し、カズマが「いらない」と即答してもむしろその言葉に快感を覚える始末。アクアとめぐみんは「クルゼイダーだし、特に断る理由はない」という立場を取り、カズマが俺たちの仲間になったら酷い目に遭うといくら説得しても、ダクネスはむしろやる気になってしまい逆効果。結局、いつの間にかカズマたちのパーティーの一員に加わることになった。

パーティーに加入した後も、ダクネスはその変態ドMぶりを遺憾なく発揮する。めぐみんをかばって魔王軍幹部ベルディアに「死の宣告」をかけられると、ダクネスは「どうしようカズマ! 見るがいい、あのデュラハンの兜の下のいやらしい目を! あれは私をこのまま城へと連れて帰り、呪いを解いてほしくば黙って言うことを聞けと、凄まじいハードコア変態プレイを強要する変質者の目だ!」などと言って、求められてもいないのにデュラハンについて行こうとする。その後も似たようなエピソードは枚挙に暇がない。ただし、敵の攻撃を受けて酷い目に遭わされたり、他人から罵られたりするのは大好きだが、「ララティーナ」という可愛い本名をからかわれたりするような羞恥プレイは大の苦手である。その一方で、冒険を共にしていく内にカズマやアクア、めぐみんとの信頼関係を築き上げ、同時に本当の仲間として守りたい、大切にしたいと認識するようにもなる。

ダクネスの好みの男性は、外見はパッとせず、自分が一途に想っているのに、他の女に言い寄られれば鼻の下を伸ばす意思の弱い男であり、年中発情してそうな、スケベそうなのは必須条件である。できるだけ楽に人生送りたいと人生舐めてる奴が良く、借金があれば申し分ない。そして、働かないで酒ばかり飲んで…(以下略)というタイプである。バルターのように非の打ち所がない品行方正な人物はダクネスの好みではなく、御剣のような礼儀知らずのナルシストを見ると殴りたくなる。

そして、ダクネスの身体をいやらしい目で見つめ、セクハラに関しては並ぶものがなく、鬼畜外道で名高いカズマが、ダクネスの好みに相当程度合致していることは言うまでもない。やがてカズマが大金を手に入れ冒険者として働くことを嫌がるようになると、ダクネスはカズマが自分の理想の男性にまた一歩近づいたと喜んでしまう。ダクネスのドM性癖は、次第にカズマに凌辱される願望へと変化していき、何度かカズマと一線を越えかけるといったトラブルを経て、いつの間にか「カズマでなくては駄目」というカズマへの恋愛感情へと発展していった。

もっとも、ダクネスことララティーナお嬢様の、カズマへの恋心がいつ頃芽生えたのかはいまいち判然としない。ララティーナお嬢様は恥ずかしがり屋であり、自らの変態的なドM性癖については平気で口に出すのに、異性に対する純粋な恋愛感情は恥ずかしくてなかなか口に出せないという性格の持ち主だからである。そのため、カズマに凌辱されることを望むような言動があっても、それがカズマに対する好意の表れなのか、単なる変態ドM性癖の発露なのかいまいち判然としないし、カズマにキスしたりお礼を言ったりするときも一々大義名分を付ける。カズマと二人きりになりエッチな雰囲気になったと思ったら、(主にカズマの心ない言動が原因で)次の瞬間にはカズマと殴り合いの喧嘩になってしまう。ララティーナお嬢様のカズマへの恋心が、もはや誤解の余地がない程度に明らかになるのは、仲間であり恋のライバルでもあるめぐみんが先にカズマと「仲間以上恋人未満」の関係になってからのことである(第12巻)。ララティーナお嬢様が、めぐみんと同じように、カズマと行動を共にしているうちに徐々にカズマのことを好きになっていったとも解釈できる一方、めぐみんより早い段階からカズマに恋心を抱いていたのではないかと想像を膨らませる余地もある。

第11巻では、クエストに同行したこめっこに、自分に目立った活躍を見せることができなかったことを指摘されて気に病んでいる。第12巻では決意を決めてカズマに告白するも、1日前にカズマ自身がめぐみんから想いを告げられて意識し始めていた後だったため拒絶されてしまう。しばらくの間はギクシャクした関係が続いていたが、一度断られたのなら最早悩む必要はないと精神的に大きく成長する。めぐみんにカズマの気持ちが傾いていることを受け入れ、カズマを奪ったりめぐみんとの仲を引き裂いたりはしないと公言することで三角関係によるパーティー解散の危機を克服するも、どさくさに紛れてカズマのファーストキスを奪い、さらにめぐみん達が見ている前でカズマに二度目のキスを敢行している。

前述のとおり、ダクネスは大貴族ダスティネス家の令嬢だが、最初のうちはそれを明かそうとしなかったため[2]、彼女が見合い話の相談をカズマたちに持ちかけるまで誰も知らなかった。周囲に本名を知られてからは、たびたび「ララティーナ」という名前をからかわれるようになる。その後、物語が進むにつれてダクネスが仲間やアクセルの冒険者たちにからかわれる要素は多くなり、主な要素(属性)としては「腹筋が割れている」「大人の一人遊びをしている」「バツイチ」(カズマ達によって阻止されたかに思われたアルダープとの結婚が、法的には一旦有効に成立していたため)「子持ち」(従妹のシルフィーナがダクネスのことを「ママ」と呼んでおり、シルフィーナをダクネスの娘と勘違いされたため)などがある。「バツネス」「エロネス」「痴女ネス」といった不名誉なあだ名も付けられている。

ダクネスは実家(ダスティネス家)の影響力による権力行使を快く思わず、「不当な権力行使はしない」と決め込んでいたものの、カズマが国家転覆罪の嫌疑で裁判に掛けられた際には、彼を助ける為に身分を明かした上でカズマを処分保留に留める。その後、味を占めたカズマ達によってダスティネス家の名前を使った権力行使をアテにされたり、時にはダクネスにも無断でダスティネス家の名前を使われることが多くなる。生来は真面目な性格だったダクネスも次第にカズマの影響を受けたのか、アルダープの一件で本来はバツイチの上に旦那が逃亡したという戸籍になってしまった際には、ダスティネス家の権力を全力で使い自分の戸籍を改竄して未婚の状態に戻し、その後はカズマ達を助けるための権力を使った口利きくらいは、割と平気でやるようになってしまう。

横暴な領主だったアルダープが失踪した後、新たな領主となった父親の容体が快復するまで領主代理を務める。その後も領主側の人間として振る舞うことが多くなり、多額の賞金を得て働かなくなった冒険者たちから税金を取り立てて老齢冒険者に対する年金制度などを作ったり、アクセルの街に子供向けの学校を作ったりしている(この世界では魔王軍との戦いが激しいこともあり、これまで紅魔族の村以外には学校は存在していなかった)。

貴族出身故のやや世俗に疎い点や、性癖の問題を除けば、一行の中でも最も善良な人物である。しかしそれが祟って一行の中ではトラブルの処理役に回ることも多く、一時期領主代行を務めたときには更なる苦労を背負い込んでいる。また堅物な一面を持っており、街の一大事にはノブレス・オブリージュの精神で(しばしば自己犠牲を伴う)解決に当たろうとすることもあったが、徐々にカズマへの信頼をもとに行動するようになっていく。

本人は隠しているが少女趣味なところがあり(バニルによって暴露された)、めぐみんが着用している可愛らしいワンピースを鏡の前で合わせたりしたこともあるようだが、本人は腹筋が割れていることや自分の周りからの印象を気にしてそのような服を実際に着ようとはしない。一方、扇情的なネグリジェ姿でカズマの前に現れることはよくあり、時にはカズマに見られていることを知りながらネグリジェ姿で屋敷内を歩き回り、カズマの気を惹こうとしたりもしている。

Web版では、魔王討伐後は積極的にカズマにアプローチを試みるものの、本人には気付かれていない様子。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ただし当初は身分を明かしておらず、後にカズマ達に知られることになる。アニメ版では、機動要塞デストロイヤー戦の直前にカズマに本名と身分を明かしている。
  2. 反面、好ましくない痛みを負った場合は感情的になる一面もあり、実際にドレインタッチのためにカズマに首元を触られた際は激怒して彼に掴み掛ったり、本気で怒った時には「ぶっ殺してやる」などと過激な発言をしていた。
  3. カズマが「カジュマ」になり、するが「すりゅ」になるなど。
  4. カズマ曰く「体力馬鹿で、いくらドレインタッチで体力を吸っても全く底が見えない」ほどの体力の持ち主なので、ウィズにいくら体力を分けても本人はほぼノーダメージである。
  5. すでにめぐみんがカズマに気持ちを伝えた後だったため、カズマが自分を含めメンバーの誰かと結ばれれば今のパーティの関係は変わってしまう事を危惧し、告白をためらっていた。
  6. 並の冒険者なら即死級の攻撃である魔王軍幹部ベルディアの攻撃、バニルの殺人光線、ハンスのスライム形態の飛び散った猛毒の破片、果てはめぐみんの(本人曰く、経験を重ね以前より更なる高みに登りつつある)爆裂魔法の直撃など。なお爆裂魔法は二度受けて普通に生還している。

出典[編集]

  1. ただし、「エリス教に仕える身である以上、清い身体でないといけない」とも語っている。
  2. ただし、アニメ版ではデストロイヤー戦の前にカズマにだけ本名と身分を明かしている。

外部リンク[編集]