タイヤワックス
タイヤワックスとは、自動車用タイヤの側面(サイドウォール)に塗布し、艶出しや汚れ防止、ゴムの劣化防止などの目的で用いられるカーケア用品の一種である。
概要[編集]
自動車のタイヤは走行中に泥やホコリ、ブレーキダストなどが付着しやすく、また夏の高温や冬の低温、紫外線、雨風といった厳しい環境下にさらされている。タイヤのトレッド面(接地面)は摩耗によって削れていくが、サイドウォール部分は摩耗しにくいため、汚れや色褪せが目立ちやすい。また、定期的な洗車やクリーニングを行っても、新品同様の黒さや艶を長期間維持することは難しい。
タイヤワックスはタイヤのサイドウォールに塗布することで黒い艶を与え、汚れや紫外線による劣化を防止する働きがある。製品によっては静電気防止やタイヤに含まれる劣化防止剤の補助効果を謳うものもある。
タイヤワックスは大きく油性と水性の2種類に分けられる。
油性ワックスはシリコンオイルや石油系溶剤を主成分とし、強い艶出し効果と高い撥水性、それらの効果が長期間持続する耐久性が特徴である。一方で、成分によってはタイヤゴムを劣化させる恐れがあるため、製品選びや使用頻度には注意が必要とされる。
水性ワックスは水溶性シリコンや界面活性剤を主成分とし、タイヤへの攻撃性が低く、自然な仕上がりになる。耐久性や艶の強さは油性に劣るが、ゴムへの負担が少ないため安心して使える。
このほか、使用方法によってもタイヤに塗り込むタイプやスプレーするだけのタイプなど様々な形状の製品が市販されており、施工性や仕上がりの質感、持続性などが異なる。
使用上の注意[編集]
タイヤワックスはトレッド面(接地面)には塗布しないことが重要である。滑りやすくなり、制動性能に悪影響を及ぼす可能性があるためである。また、過剰な塗布や拭き残しはホコリやブレーキダストを吸着しやすくなるため、適量を均一に塗り伸ばし余分な分はきれいに拭き取ることが推奨される。
オートバイ用のタイヤにおいては、バンクなどで側面に近い場所も路面と接するため、ワックスによりスリップが起こりやすくなることから基本的に使用しない。