スバル・アルシオーネSVX

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アルシオーネSVXはかつてスバルが製造していた乗用車である。

概要[編集]

アルシオーネSVXはスバルが1985年に販売したアルシオーネの二代目となる。円高やコンセプトの迷走により販売不振となった先代の反省を踏まえ、当初からスバルにおけるフラッグシップカーとして設計されたものである。

プラットフォームとエンジンはレガシィをベースに開発したとされており、よりグランドツーリング性を高めたものとなっている。搭載されたエンジンEJ型(EJ22)をベースに6気筒化したEG33を搭載する。ターボは搭載しないNAであるが、3.3Lと大排気量化したことにより同年代のスバルのターボ車(EJ205など)と同様の出力を発揮しながら余裕のあるフィーリングとなっている。駆動方式は日本国内はAWDのみ、北米市場においてはFFも採用された。トランスミッションは4ATのみ。AWDは初搭載となるVTD-AWDにより電子制御されているほか、四輪操舵システムも採用されていた。

エクステリアはジョルジエット・ジウジアーロによりデザインされ、デザイン上の大きな特徴ともなっていたラウンドキャノピーはキャビンがルーフを除いてガラスで覆われており、ピラーもガラスの内側に配置されていた。先代なシャープで未来的なデザインであったが、SVXはワイドでグラマラスで迫力のあるデザインでありながら、水平基調なサイドラインにより腰高感もなく、スムーズなシルエットによりスタイリッシュさも兼ね備えているデザインである。2ドアクーペでありながら実用性のある後部座席を有するなど、グランドツーリングカーにふさわしいものであった。

高級感とメカニズムの高度な融合により、確かにスバルのフラッグシップカーとしてふさわしいものであったが、スバルのブランドイメージやバブル崩壊と合わせて販売は低迷。1991年の販売開始から1996年の販売終了までに約5900台が販売されたといわれている。一方でスバル至上最も美しいデザインとまで評されるSVXには今もなお根強いファンが存在している。

SVXの販売終了後、国内外におけるスバルのフラッグシップはレガシィが務めていたものの、そのレガシィも2024年に国内販売を終了。かつてのSVXのような高級感とメカニズムを両立したようなクルマは2025年現在でラインナップに存在していない。

由来[編集]

アルシオーネはプレアデス星団で最も明るいアルキオネ(Alcyone)に由来する。また、プレアデス星団の日本での呼び名は昴(すばる)であり、スバルで最も輝くクルマ(フラッグシップ)という意味も込められている(先代も同様)。

SVXはSubaru Vehicle Xの頭字語である。Xには未来・未知などの意味が込められており、同時期に販売されていたインプレッサWRXのXと似た意味を持つ。

関連項目[編集]