ケチ更新

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ケチ更新(ケチこうしん)とは、建物の改装を行う際に、あまりお金をかけずに改装を行うというお金にやさしいことの俗称である。

概要[編集]

一般的な建物は耐用年数60年ほどといわれているが、長年にわたって使うと陳腐化や近年では災害対策も必要になってくる。そのため、ある程度使用した段階でリニューアルをすることがあるが、それには当然お金が必要である。施工主の財政状況によっては、劣化が進んでいるのにもかかわらずリニューアルがされない箇所があったりする。これをケチ更新と称されている。

マンション・アパートにおける事例[編集]

賃貸物件の契約更新時において、大家または管理会社が、物件の維持管理に必要な修繕やメンテナンスを必要最低限に留めたり、費用を極力削減した小規模な対応しか行わない状況を指す俗語である。大家や管理会社には、賃貸物件を安全かつ快適な状態に保つ義務が存在するものの、その範囲や程度については解釈の余地がある。そのため、更新時に本来実施されるべき修繕が見送られたり、安価な方法で済まされたりする。具体的な例としては、壁紙の些細な剥がれや汚れの放置、設備の不具合に対する一時的な応急処置、共用部分の清掃頻度の低さや質の低下、老朽化した設備の交換の先延ばし、退去者の修繕費用を物件全体のメンテナンスに適切に充当しないなどが挙げられる。

主に中小規模なマンションアパートでみられるが、近年ではマンションの飽和化に伴い、高層マンションでもこれが行われる恐れが指摘され始めている。

エレベーターにおける事例[編集]

外見上は昭和の香りを漂わせるレトロなエレベーター、だが籠内に一歩入ると操作盤が最新式のボタンや電光掲示板に変わっている…というエレベーターがこれに該当する。こういった場合は、内装と制御装置が交換されているというパターンであるため、安全性は更新後の物に準じていることが多い。反対に、外側操作盤が更新されているのに籠内はオンボロ操作盤のままというパターンは逆ケチ更新(ぎゃくケチこうしん)と呼ばれ、区別されている。このパターンの場合、直後にエレベーターの内装や制御装置の交換が予定されているため、先んじて外側のみ交換されているというケースがほとんどであるため、逆ケチ更新のまま、長期間放置されるという事例は少ない。

主に1970年代ごろに建設された5階建て程度の雑居ビルは更新時にだいたいこうなっている。