ガサルス
ガサルス(金色烏、アーヴ語:、アルファベット:Gatharsec)は、森岡浩之のSF小説「星界シリーズ」に登場する架空の鳥である。
金色に輝く烏であり、アーヴ根源二十九氏族の一つ、スポール氏の紋章とされる(ガサルスの下には、皇族であるアブリアルをからかう文言が書かれている)。スポール一門に関わる物には、この紋章があしらわれている。
伝説上の存在であったが、アーヴの得意とする遺伝子改造の結果、実際に金色の烏が産み出され、レトパーニュ大公爵城館に九羽現存する。『星界の断章』収録の短編『君臨』にガサルスの詳細な描写が登場するが、カラスを元に作り出したらしく、鳴き声はお世辞にも良いとは言えない。
ガサルスの起源[編集]
以下の記述は、「星界の裏設定」による。
Gatharsec―「金色烏(ガサルス)」の由来について、 NIFTY SERVEで作者森岡浩之は、日本神話に登場する「八咫烏(ヤタガラス)」の子音遷移による音韻変化と語っている。
推定される音韻変化の過程
(原アーヴ語) y(j)atagarasu → jatgars → gathars → gatharsec
- 第一子音=j→gの子音遷移
- 第三子音=g→hの子音遷移
- 語尾=+ec…主格語尾
もっとも日本神話では、八咫烏は『古事記』中巻の冒頭に登場し、高木大神(高御産巣日神)より遣わされ、苦境に陥った神武天皇の東征を導いた存在とされており、とくに金色とは表記されていない。これはアーヴたちが祖先の神話や伝承を交易によって収集した過程で、混乱が起こったのが原因とされる(もっとも、単なる作者の勘違いである可能性もある)。
関連リンクにおいて作者が述べている事と矛盾するので、独自研究ではないか? 作者がそう述べていたという出典があれば示されたし。
一方、「金鵄」で有名な金色の鵄は、『日本書紀』に登場するのである。記紀神話の中には、金色の烏は登場しない。
これは、以下のように解釈される。アーヴの根源氏族が自立して自分たちの神話を創り上げることにし、交易によって宇宙に散らばった人類(とくに母体となった日本系民族)の神話や伝承を収集して、その断片を再構成したのが現在のアーヴ神話であるが、再構成の過程で混乱が生じ、二つの伝承に出てくる八咫烏と金色の鵄の伝説が混交して生み出されたのが金色烏=ガサルスであるらしい。
しかし、『風土記』の逸文に収録されている神武東征の神話では、実際に「金色烏」が出てくる場面がある。
- ……天日別命は、神倭磐余彦の天皇、彼の西の宮より此の東の州を征ちたまひし時、天皇に随ひて紀伊の國の熊野の村に至りき。時に、金の烏の導きの随(まにま)に中州に入りて……
『伊勢國風土記』逸文の冒頭であるが、ここに現われているのは、紛れも無く「金の烏」である。
『古事記』では八咫烏、『日本書紀』では金鵄が登場し、神武天皇を導くが、一方で『伊勢國風土記』にこのような記述がある以上、アーヴ神話におけるガサルスは、記紀神話ではなく、風土記に由来を持つものと考えるのが的を射ていよう。すなわち、アーヴ根源氏族が神話伝承を収集する際、八咫烏の導きのくだりでは、記紀本文ではなく、その両者を統合する形で風土記の逸文を採用したのである。