カーネーションを持つ聖母

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カーネーションを持つ聖母(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

カーネーションを持つ聖母(英:Our Lady with a carnation/Madonna of the Carnation/Virgin with Flower、独:Madonna mit der Nelke)はレオナルド・ダ・ヴィンチの20代初期の作品である。「カーネーションの聖母」はルネサンスの画家ラファエロ・サンティの作品なので、まったく別である。

概要[編集]

一般に1478年から1480年にかけて製作された絵画と考えられているが、所蔵する美術館は1475年頃としている。これはレオナルドが23歳の頃であり、自分の手で完成させた最初の作品と言われる。ドイツミュンヘンアルテ・ピナコテークに展示されている[1]。素材にはポプラの木(ポプラ属)が使用されている。アルテ・ピナコテークは1889年ギュンツブルクのA.ハウグから買い取ったとされる。

象徴するもの[編集]

カーネーションは「母性」を象徴する花である。カーネーションを片手に持ち、膝の上に我が子イエスを乗せ、悲しみの表情を向けている。この表情はイエスの将来の運命を暗示している。聖母は高価な衣装と宝石を身に着け、左手にカーネーションを持つ。カーネーションの赤は血と受難を表し、犠牲による死を象徴している。

他の伝承ではキリスト受難のときに、マリアが流した涙からカーネーションが生えたとも言われる。アメリカで「母の日にカーネーション」を贈る風習がひろまったのは、こうした聖母マリアと関わる伝承に起因するとされる。

作者の変遷[編集]

当初はアンドレア・デル・ヴェロッキオの作品と考えられていたが、美術史家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品と考えらるようになった。聖母の髪の描き方、左手、花、布のヒダの描き方は『受胎告知』に似ている。また聖母の特徴的な体や、活気のある明暗のある表現は後年のダ・ヴィンチを思わせる。

要約[編集]

  • 名称:カーネーションを持つ聖母
  • 作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
  • 展示:アルテ・ピナコテーク (ドイツ・ミュンヘン)
  • 所蔵番号:7779
  • 媒体:板に油彩
  • 製作年代:1475年
  • サイズ:62 x 48.5 cm

[編集]

  1. Madonna mit der NelkeALTE PINAKOTHEK

外部リンク[編集]