カセグレン問題

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カセグレン問題とは、フランス望遠鏡光学者ローラン・カスグラン(Roland Cassegrain)の日本語表記が、現地のフランス語読みに従った「カスグラン」ではなく、英語読みの「カセグレン」と表記されている問題である。

現地語読みルール[編集]

地名の日本語表記は、法律で定められている国名や中国語の名前などを除いて、現地での呼び方に従ってカナ表記するのが原則である。 Cassegrainのフランス語での発音は、「カスグラン」[1]である。

表記の変遷[編集]

1970年代に「天文ガイド」に掲載された清原光学の広告には「カスグラン」と書いてあった。しかし、1980年台にアメリカセレストロンミードの望遠鏡を扱った広告には、英語読みの「カセグレン式」と書かれ、この社の望遠鏡が国内で数多く売れたため、「カセグレン」という呼び方が広まった。このように、英語読みが広まった例としては、他に接眼鏡(アイピース)の「ハイゲン式」などがある。この形式のものは、オランダの天文学者ホイヘンス(Huygens)に由来するものである。


年月 表記 書籍名 執筆者 出版社
1976 カスグラン式 「天文ガイド」広告 清原光学 誠文堂新光社
1978 カセグレン式 「天文・宇宙の辞典」P.103    恒星社
1986.7.1 カスグラン 「天文学辞典」P.109 鈴木敬信 地人書館
1994.7.1 カセグレン式 「天文学小辞典」P.164 地人書館
2012.7.20 カセグレン焦点 現代の天文学別巻「天文学辞典」P.64 岡村定矩 日本評論社

脚注[編集]

  1. [http:// YouTube発音サイトCassgraun]