エコーチェンバー現象
エコーチェンバー現象とは、似たような考え方を持つ人々が集まり、その内部でのみ意見交換を繰り返すことで、自らの意見が正しいと強く信じ込むようになる現象である。エコーチャンバー現象や、略したエコチェンという呼称もされる。
概要[編集]
本来の「エコーチェンバー」とは、音楽などのレコーディングにおいて、収録後に人工的な残響を加えるために使われてきた残響室[注 1]を指す[注 2]。そこから、似たような考えを持つ人どうしが閉じた環境で意見を交わし合い、その中で自らに都合のよい意見だけが増幅されていく状況をエコーチェンバーになぞらえたものが「エコーチャンバー現象」である
エコーチャンバー現象の問題点は、同じような意見だけがコミュニティの内部で繰り返されることで、自分たちの認識や意見が正しいと強く信じ込むようになりやすく、異なる立場や反対意見に触れる機会が極端に減ってしまうことである。その結果、コミュニティの中で「正しい」とみなされていることが、実際には誤った情報であってもそれを疑わなくなってしまったり、逆に社会全体で広く支持されている認識を「間違っている」と決めつけてしまうこともある。また、同じような意見だけが反響し続けることで、実際には少数派であっても、自分たちの考えこそが世間での多数派だと錯覚してしまうおそれもある。
SNSが広く普及した現在のインターネット環境では、プラットフォーム側が利用者の満足度を高めるために、ユーザの関心や行動履歴にもとづいて表示する情報を選別・順位付けするアルゴリズムが広く用いられている。その結果として、利用者が自分の関心や信念に沿った情報ばかりを目にしやすくなり、異なる意見や反対の情報に触れる機会が減ってしまう状態が生じることがあり、このような状態は「フィルターバブル」と呼ばれている。このような状態になると、利用者の目に触れるコンテンツが偏りやすくなり、似た考えを持つ人どうしが集まる機会が増え、エコーチャンバー現象が一層生じやすい環境になっているとも指摘されている。
関連項目[編集]
注釈[編集]