ウクレレ

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ウクレレ(ukulele)とはハワイにおいて発展した撥弦楽器の一種である。4弦の小さいギターのような外見のものが一般的であり、ハワイアン音楽に欠かせない楽器である。

概要[編集]

ウクレレはギターと同じくリュート属の撥弦楽器に分類されるが、弦長が短く、弦の本数も少ない点に特徴がある。

弦はナイロンフロロカーボンナイルガットの3種が主に使用され、通常は4弦からG-C-E-Aのように調律される。なお、4弦の調律は1弦のAに近いGであるが、そこからオクターブ下のGに調律されることもある。この場合、一般的なGの調律をHigh-Gとし、低いGの調律をLow-Gと表記する。High-GとLow-Gでは弦の太さなどが違うため、弦を選ぶ際は注意を要する。なお、バリトンウクレレはE-A-D-Gと調律されるほか、通常の調律から一音ずつ上げたA-D-F#-Bというアメリカンチューニングが使用されることもある。

ボディはギター系のものが多く存在するが、パイナップル型と呼ばれるくびれのないデザインや箱型、バンジョーのようなものもある。また、大きさによる分類も存在し、一般的にはソプラノ、コンサート、テナー、バリトンの4種に大別される。ソプラノは最も小型で、伝統的なウクレレの音色を持つとされる。コンサートおよびテナーはソプラノよりも弦長が長く、音量や音域に余裕があるため、独奏やアンサンブルなど幅広い用途で用いられる。バリトンは最も大型で、他のウクレレとは異なる調律を用いることが多く、ギターに近い演奏感を持つ。

材質についてもさまざまなものが存在し、主に使用される木材や構造によって音色や価格帯が異なる。 ウクレレの材質にはマホガニーローズウッドなどの木材が用いられることが多い。また、合板を用いたものや、プラスチック、カーボンファイバーなどの非木材を使用したものも存在する。

ハワイ原産のコア材(ハワイアンコア)を用いて作られたウクレレは、ハワイ文化との結びつきが強い木材を使用していることに加え、木目の美しさや独特の色味から視覚的にも高く評価されてきた。音色についても独特の響きを持つと評されることがあり、外観や文化的背景と相まって高級なウクレレとして扱われる例も多い。一方でハワイアンコアは原料の希少性から保護が進んでおり、供給量の減少に伴って材料価格が高騰している。そのため、近年ではコアと同じアカシア属の木材などが代替材として使用されることもある。なお、一部ではサクラヒノキなどの日本産の木材を使用したウクレレも少数ながら製造されている。

ルーツ[編集]

ルーツについてはポルトガルマデイラ島からの移民が持ち込んだ楽器とされており、ブラギーニャ説とラジャン説、またはその両者を合わせたものとされている。ブラギーニャはソプラノウクレレと同じくらいのサイズで4弦あるが、弦の調律がウクレレとは異なっている(D-G-B-D)。一方のラジャンは5弦でテナーウクレレと同じくらいのサイズであるが、うち4本がウクレレと同一である(D-G-C-E-A)。なお、ブラジルで使用される楽器にカヴァキーニョというものがあるが、これはウクレレ同様にポルトガルからの移民が持ち込んだブラギーニャをルーツとする楽器であり、鉄の弦を使うという違いはあるが4弦で調律がD-G-B-Dである(D-G-B-Eの場合もある)ことからウクレレと近い関係にあるともされている。