ウォークマン
ウォークマン(WALKMAN)は、かつてヒットした携帯用再生専用音楽プレーヤー。小型のヘッドホンを取り付けた携帯用オーディオプレーヤである。日本の発明である。
概要[編集]
「小型のテープレコーダーに、再生だけでいいからステレオ回路を入れてくれないかな」という井深大(当時名誉会長)の言葉から始まった。1979年にソニーが開発・発売された初代「ウォークマン」が最初である。当初は売れ行きはあまりよくなかった。販売は低迷したが、マーケティングにより1983年にカセットテープはレコードの売り上げを上回った。
MP3プレイヤー[編集]
カセットテープ、CD、MD、MP3と変わってきたが、MP3プレイヤーはアップルのiPodが世界的人気となり、遅れる形で厳しい競争となり、日本国内では旧来の流れで一定の売上を確保したが海外では完敗した。この時期音楽ダウンロードはiTunes Storeが主流であったが、iPodに客が流れるのを阻止するためソニーミュージックのアーティストの楽曲は一切iTunes Storeで配信しなかった。当然、アーティストや利用客から猛反発が起きることになった。さらにMP3プレイヤーはiPodを持つのが常識とまで言われ、一昔前の日本企業風のデザインが古いとも言われた。しかし改めて見るとデザインがiPodより優れていることに気づく。一方で現在の高価なストリーミング用のウォークマンは需要があるように思えずデザインも残念である。
命名[編集]
社内から100以上の名称候補が上がり、黒木氏は「ウォーキー(WALKIE)」という名前で考えていたが、東芝がすでにこの名称を登録していたため、「WALKMAN」にしたという[1]。
特許[編集]
ウォークマンのアイデアに関する特許を1977年に取得したドイツ人発明家に、ソニーは数百万ユーロの支払いを行っていたという。
1977年、当時イタリアに住んでいたドイツ人Pavelは、Stereobelt(「ベルトに装着するステレオ」)というポータブルステレオ機器に関する複数の特許を登録していた。1989年に英国の法廷で訴訟したが、7年以上が経過した後に訴えは却下され、300万ユーロ(368万ドル)近い訴訟費用の支払いを命じられたPavelは破産寸前となった。2001年、ソニーは態度を変えPavelとの新たな交渉を開始することに応じ、和解が成立した[2]。
出典[編集]
- ↑ 7/1でウォークマン誕生40周年Buisiness Insider,2019年6月1日
- ↑ ソニー、ウォークマンを巡る訴訟で「発明者」に数百万ユーロを支払うCNET