ストラテラ
(アトモキセチンから転送)
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ストラテラとは、アトモキセチンを主成分とする選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤である。ADHDにおける注意欠陥や多動性を緩和させるために使用される。一般名はアトモキセチン塩酸塩である。[1]なお、後発医薬品も販売されている。NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニスト作用がある。
概要[編集]
日本におけるADHD治療薬としてはコンサータに次ぐものであり、2012年に成人のADHDに対しても適用となったものである。[2]ノルアドレナリントランスポーターにおけるノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで神経伝達物質の濃度を上昇させ、薬効を発揮するといわれている。抗うつ剤として使用されるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬と違ってセロトニンの再取り込みは行わないため、それらに比べて副作用は少ないともいわれている。
コンサータとは効き方が大きく異なっており、効果が発揮するまで2週間の服用、安定して作用するまでさらに4週間以上飲み続ける必要があるなど、非常に長いスパンで取り組む必要がある。[3]これは血漿中濃度の定常状態に到達するのに時間がかかるためであり、主作用がないときは副作用もない。
副作用[編集]
依存性はない。 多くあらわれる副作用として、吐き気(31.5%)、食欲減退(19.9%)、頭痛(15.4%)、眠気(15.8%)がある。[1] また、特異な副作用として自殺企図や他害行為の上昇も報告されており、アトモキセチンは全ての医薬品の中で、2番目に自殺未遂の報告が多いため[4]、経過観察や定期的なケアは必須とされている。
なお、肝臓で代謝されるため、継続的な血液検査も必要とされている。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ a b “ストラテラの医薬品情報と添付文書情報”. KEGG.
- ↑ “注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療剤「ストラテラ」、日本で初めて、成人期のAD/HDへの適応承認” (2012年8月24日).
- ↑ 証拠としては、ストラテラの添付文書情報の17.1.2 国内第III相長期継続投与試験の結果がある。
- ↑ Thomas KH, Martin RM, Potokar J, Pirmohamed M, Gunnell D. (2014-9-30). “Reporting of drug induced depression and fatal and non-fatal suicidal behaviour in the UK from 1998 to 2011.”. BMC Pharmacol Toxicol. 15: 54. . . .