アスペルガー症候群
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アスペルガー症候群とは、自閉スペクトラム症のうち、IQが70以上で、言語発達が正常なものをいう。
別名として、自閉的精神病質、小児期統合失調質障害がある。[1]
「汎用型ではなく特化型の人間である」という意見もあり、「IQ テストでデコボコがあって平均が 70 以上」という事例はアスペルガー症候群あるいは高機能自閉症と診断されがちである。
概要[編集]
- 精神疾患としては、
- 当事者が苦痛である。
- 家族や上司などが迷惑する。
- というのが基本的な考え方である。
- つまり、「当事者が苦痛を感じている」ことに対して「家族や上司などが迷惑する」という、「当事者の都合 VS 社会的な都合」の話であり、医者や教育者が介入するのは本来的には難しい。
- 知能指数が70以上で言語発達が正常なものが「アスペルガー症候群」(ハンス・アスペルガーに由来する)とされてそうでないものが「自閉性障害」(カナー症候群とも呼ばれ、レオ・カナーに由来する)とは別枠とされていた時代が長かったが、現在では「自閉傾向があることを自認し、公言する」ことが一般化しつつあるので、逆に当事者側から「未診断」とされて肩身の狭い思いをしたりする。「精神障害者保健福祉手帳」を持っていないと、軽々しく「アスペ」を自称できない。当事者としては、当事者に対して肩身が狭い反面、世間において認知が広まっていることから、悲喜こもごもであって苦笑しているのが現在である(笑)。
- 興味のある事柄には高い集中力を示し、興味のある範囲では優れた才能を発揮するが、興味のないことには眼中にないというか、そもそも認識すらしていないような傾向が見られる。(Monotropism)Monotropismのため、特定の思考・行動様式に固執し続けており、他の思考・行動様式に転換することが難しいという問題がある。
- 「社会性を身に着けていない」とされる事もあるが、自閉度が軽い人の場合、実力が試される同業者のコミュニティにおいてリーダーとしての役割を果たしていたりもする人もいる。一方、自閉度が重く、社会生活に支障をきたしている人もいる。
- 物事を文字通りに解釈する傾向が強く、比喩や暗黙の了解のような遠回しな表現は通用しない事が多い。
- 「物事を文字通りに捉えるため、マニュアル通りの行動はたぶん得意で、曖昧な表現を解釈するのは苦手。」と云われ、「個人の感想ですが」という話はあるが、属事的な解決策があるのなら、その通り行動するだけである。
- 「沢山のガイドラインに目を通した上での行動が求められるウィキペディアンとしてはうってつけの逸材かもしれない。」という見解はあるが、「おでん屋」は意外に天職かもしれない。農家や造り酒屋もいけそうだ。
中核症状[編集]
- コミュニケーションと社会的相互作用の障害 - 非言語コミュニケーションが特に苦手であり、比喩や暗黙の了解を理解しにくい。他人の心を読みにくい。
- 限定的な興味、反復的な行動または活動の様式 - 興味の対象が少数に限定されていて、特定の思考にこだわり続けている。
併発疾患[編集]
- 周りに馴染めずいじめを受けたりして二次障害を発症をしやすい。これは、マイノリティ全般に通じるものである。結果として自殺などに至りやすいという傾向もある。
- 抑うつの併発が多く見られ、うつ病や適応障害と診断されることが多くある。
- 統合失調症に発展することもある。
疫学[編集]
- 遺伝的要因が強いが、原因は不明。
- 全人口の1%程度にみられる。
- 「男性に多いが、女性は出ると重い」というのが当事者間および関係者間の現時点における通説ではあるが、この点については「ジェンダーの違いであり、社会的に背負わされている性的役割が異なる」ことによるのかもしれない。
- じっさい、「こっち側の人間は、お互い臭いで判る」という男性の当事者はけっこう多いが、女性の場合は「女らしさ」というジェンダーによってマスクされてしまって嗅ぎとりづらい。
関連項目[編集]
- 自閉スペクトラム症
- 自閉性障害
- 統合失調症型障害
- 統合失調質パーソナリティ障害 - アスペルガー症候群の別名として、小児期統合失調質障害がある。