よみもの:数学 定義集

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よみものページ
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このよみものでは、数学用語の定義を列挙します。

はじめに[編集]

記号・記法[編集]

ここでは、等号付き一階述語論理を採用します。論理記号 ¬,∧,∨,⇒,⇔,∀,∃,∃!,= の意味は、よく知られている通りです。

論理式 φ に変数 x1,x2,…,xn が自由に現れうる[1]ことを強調したいとき、φ の代わりに、φ(x1,x2,…,xn) と書きます。φ(x) の x に項 τ を代入した論理式を、φ(y) と書きます。

公理[編集]

ZFC を採用します。もし圏論について書くことがあれば、TG(Tarski–Grothendieck 集合論)を採用します。

このページにおける ZFC とは、2項述語記号 ∈ を持ち、

  • 外延性公理:∀x(x∈A⟺x∈B)⟹A=B
  • 空集合公理:∃X,∀x,x∉X
  • 分出公理図式:{x∣x∈A∧φ(x)} は集合である
  • 和集合公理:{x∣∃X,x∈X∈𝒮} は集合である
  • 対の公理:{x∣x=a∨x=b} は集合である
  • 冪集合公理:{X∣X⊆A} は集合である
  • 無限公理:帰納的集合が存在する
  • 置換公理図式:∀x∈A,∃!y,φ(x,y) なら、{y∣∃x∈A,φ(x,y)} は集合である
  • 選択公理:全ての集合は選択関数を持つ
  • 正則性公理:x≠∅⟹∃y∈x,∀z∈y,z∉x

を公理とする[2]理論です。また、TG とは、ZFC に

  • 宇宙の公理:A∈𝒰 なる Grothendieck 宇宙 𝒰 が存在する

を追加した理論です。

集合論[編集]

集合[編集]

集合[編集]

ZFC の項を、集合といいます。

a∈A であることを、「a は A の元[3]である」「a は A に属する」といいます[4]。

¬(a∈A) であることを、a∉A と書きます。以降も同様に、斜線で否定を表すことにします。


∃x(x∈A∧φ(x)) を、∃x∈A,φ(x) と書きます。

∀x(x∈A⟹φ(x)) を、∀x∈A,φ(x) と書きます。

クラスによる論理式の書き換え[編集]

∃X∀x(x∈X⟺φ(x)) であることを、「{x∣φ(x)} は集合である」と書きます[5]。ただし、X は φ(x) に自由に現れない変数とします。

{x∣φ(x)} が集合でないことを、「{x∣φ(x)} は真クラスである」と書きます。

以上の表現に現れる「{x∣φ(x)}」の部分を、「φ(x) を満たす x 全体のクラス」といいます[6]。


クラス {x∣x=x} を普遍クラスといい、𝐕 と書きます。

クラス {x∣x∉x} を Russell クラスといい、𝐑𝐮 と書きます。


クラス {y∣∃x(y=τ(x)∧φ(x))} を、{τ(x)∣φ(x)} と書きます。ただし、y は τ と φ のいずれにも現れない変数とします。

より一般に、クラス {y∣∃x1⋯∃xn(y=τ(x1,…,xn)∧φ(x1,…,xn))} を、{τ(x1,…,xn)∣φ(x1,…,xn)} と書きます。ただし、y は τ と φ のいずれにも現れない変数とします。


∃X∀x(x∈X⟺φ(x)) が成り立つとき(すなわち、{x∣φ(x)} が集合であるとき)、そのような X は一意に存在することが示せます。この X を、クラスの表記法を引き継いで、{x∣φ(x)} と書きます[7]。

特に、{τ(x1,⋯,xn)∣φ(x1,⋯,xn)} が集合のとき、集合 {y∣∃x1⋯∃xn(y=τ(x1,…,xn)∧φ(x1,…,xn))} が定義できます。この集合を {τ(x1,⋯,xn)∣φ(x1,⋯,xn)} とも書きます。

このように、あるクラスが実は集合であることが示されたとき、その集合にもクラスと同じ表記法を使うことが慣例となっています。

注釈[編集]

  1. ↑ 実際に現れていなくてもかまいません。
  2. ↑ 正確には、これらを全て論理記号と ∈ だけを使った論理式へと書き換え、さらにその全称閉包をとったものが公理となります。
  3. ↑ 要素とも。
  4. ↑ 「A は a を含む」という言い方もありますが、部分集合(後述)と紛らわしいため非推奨とされます。
  5. ↑ これは単なる省略表現であり、「{x∣φ(x)} は集合である」丸ごとで1セットの文です。次の「{x∣φ(x)} は真クラスである」も同様。
  6. ↑ クラスは省略表現の一部を切り取ったものであって、ZFC の項ですらないことに注意。
  7. ↑ こちらは、クラスとは異なり、れっきとした ZFC の項です。