よみもの:ジンダイドジョウはキタドジョウの変種なのか?
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三重県の伊賀町に生息していたジンダイドジョウはキタドジョウの変種だったのではないのかという説がある。この説は「キタドジョウ」の和名を提唱した中島&内山(2017)でも触れられている。
交雑[編集]
普通、別種であれば交雑する事が出来ない。
ジンダイドジョウはドジョウと交雑が進んで消滅していった。キタドジョウと一般的なドジョウには生殖的隔離があるとされる。この事からジンダイドジョウはドジョウと考えられそうな気がする。
しかし、愛知県名古屋市では、ドジョウとキタドジョウが交雑していることが報告されている(八嶋ほか 2025a)。
このため、交雑からは、ジンダイドジョウがドジョウなのか、それともキタドジョウなのかは分からないのである。
遺伝子[編集]
現存しているジンダイドジョウの雑種集団の遺伝子には、普通のドジョウと特異的な特徴が見られなかった。つまり、独立種では無いと考えられ、ドジョウの変種だったと見られる。
しかし、この研究は「キタドジョウ」という種が報告される前のものである。そのため、キタドジョウが混同されている可能性が捨てきれない。
形状[編集]
2025年(令和7年)、八嶋勇気らの研究チームによって三重県総合博物館に所蔵されている神代鰌の標本が調査されている(八嶋ほか 2025b)。
まず、ジンダイドジョウの背鰭分枝軟条数が6で、背鰭最終軟条が分枝していることが分かった。これは、カラドジョウ、シノビドジョウ、ヒョウモンドジョウには見られない特徴であり、ドジョウかキタドジョウと同定される。
では、ジンダイドジョウはどちらの種だろうか?。八嶋ほか(2025b)による分析で以下の特徴があると報告されている。
- 胸鰭分枝軟条数は 9本で、総脊椎骨数が49本。
- 雄は背鰭基底長、胸鰭不分枝軟条、第1分枝軟条、臀鰭基底長、腹鰭長が小さい。
- 雄の瘤状隆起は背鰭後部は1対のみで、背鰭基底より後方が1番高い。
これらの特徴はドジョウ属タイプI種に類似する。タイプI種は遺伝子的にキタドジョウと近縁であり、恐らく同種である。
結論[編集]
ジンダイドジョウはキタドジョウの可能性が高い。
出典[編集]
- 中島淳、内山りょう 『日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑』、2026年3月18日。ISBN 9784635062879。
- 八嶋勇気、浅香智也、鳥居亮一、宇地原永吉、岡田龍也、向井貴彦、北川忠生「愛知県名古屋市のドジョウ属集団から検出されたType I の mtDNA の在来性および遺伝的集団構成」、『魚類学雑誌』第72巻第1号、2025年4月25日、 19–30、 。
- 八嶋勇気、大北祥太朗、北村淳一、北川忠生「三重県総合博物館に所蔵されている神代鰌の標本の形態的特徴」、『魚類学雑誌』第72巻第2号、2025年、 229–241、 。