どぶてけし
概要[編集]
『週刊少年マガジン』(講談社)にて、1990年27号から同年37号まで連載された。単行本は全1巻。
「どぶてけし」とは秋田県の方言で「図太い」「根性悪い」といった意味合いであり、良い意味では用いられない語である。
第66回全国高等学校野球選手権大会(1984年の夏大会)に出場し、準決勝第2試合で清原和博・桑田真澄を擁するPL学園に桑田のホームランにより逆転負けした秋田県立金足農業高等学校をモデルとする。作者の伊藤も秋田県出身である。
あらすじ[編集]
高校野球選手権大会秋田県地区予選は7回降雨コールドにより名門・秋田学院の優勝で終了した。負けた秋田農業高校の投手・浜崎力哉が「あと2回あれば逆転した」と審判に掴みかかったことで話題となった。秋農野球部は、この件で1週間の活動禁止。
宮沢りかこは甲子園大会で秋田県代表校のプラカードを持つのだが、秋農の報道を見て、こんな学校のプラカードだけは持ちたくないとこぼす。
しかしながら、秋田学院の野球部1年生が禁止されているバイクでの轢き逃げ事件(被害者は全治3日)を起こしたことで、甲子園出場を辞退。準優勝の秋農が甲子園に出場することになる。
秋農球児が甲子園球場近くの宿へ向かう電車の中に、たまたま宮沢も乗り合わせ、浜崎のバットケースが宮沢の股間に入り、制服スカートをめくりあげる形になって大騒ぎ。宿に着いた秋濃球児は甲子園を見上げ、張り切った浜崎が阪神タイガースの虎の像にまたがり素振りをしたところ、虎の頭が落ちてしまい、秋濃はマスコミに大々的に取り上げられることになると共に、地元阪神ファンを敵に回した。
さらには入場行進の際に緊張のあまり、プラカードを持つ宮沢とは逆方向に行進して、これまでマスコミに大々的に報道される。
秋濃は1回戦第1試合で、対戦相手は春の甲子園準優勝校の広島代表と対戦。浜崎の立ち上がりの悪さから四死球による押し出しから始まるものの、結果的には奪三振20個の新記録を打ち立て、秋濃は試合でもマスコミの注目を集める。
浜崎は、自分が高校どまりの野球選手であることを自覚しており、将来は実家の農業を継がねばならない。それでも、秋農ただ1人の投手として連投し、準決勝にまでこぎつける。準決勝相手は石坂を擁する春の優勝校・浪速実業。石坂から本大会初となる三振を奪い、秋濃1点リードで迎えた9回裏。ランナ2人を出すも2アウトで迎えるバッターは石坂。敬遠による満塁策という手もあったが、全員の意見で勝負を選択。結果、石坂に3ランホームランを打たれ、秋農の夏は終わる。
登場人物[編集]
- 秋田農業高校
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- 浜崎 力哉(はまさき りきや)
- モデルはダウンタウンの浜田雅功で、あだ名も同じく「浜ちゃん」。キャラクターの性格も浜田のものとなっている。これまでの伊藤の漫画の主人公が「我慢して、我慢して、最後に爆発する」タイプだったが、これは作者の精神衛生に悪いとして、浜崎は最初から爆発するキャラクターとなっている。
- ピッチャーで5番打者。1回戦では逆転打を放つが、自身は3塁オーバーランでアウトになる。1回戦では奪三振20個と甲子園大会新記録を樹立し、以降も毎回2桁奪三振を奪う。
- 藤田 まこと(ふじた まこと)
- キャプテンで4番キャッチャー。
- 監督
- 誰もなり手が無かったことから引退していた老教師を引っ張り出している。夏の暑さでぽっくり逝くのではないかと、周囲から恐れられている。
- 宮沢 りかこ(みやざわ りかこ)
- モデルは宮沢りえ。中学時代から石坂のファンであり、プラカートを持つことを目的に西宮女子校へ進学した(実際には兵庫県立西宮高校)。
- 出会い、および入場行進でのしでかしなどもあって、特に浜崎との間は険悪は仲からはじまったが、 石坂および、秋農選手のマスコット人形を自作する、忙しい宿の女将に代わって夕食を作るなどで、次第に打ち解けていく。
- 浪速実業
- 地元兵庫県代表。先の春の甲子園優勝校であり、春夏6回連続で甲子園出場を果たしている。秋農戦翌日も危なげなく勝利し、優勝を勝ち取った。
- 石坂(いしざか)
- 地方大会では10打席連続ホームランを打ち、甲子園でも秋農と当たるまでは三振0という超高校級スラッガー。