だまっていよ屋敷
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だまっていよ屋敷(だまっていよやしき)は、江戸時代の妖怪屋敷である。
概要[編集]
江戸時代の養鶏家の喜右衛門はあるとき、武士が鶉を注文して、屋敷で払うというので、麻布の屋敷まで同行した。男の家に着くと、武士は「ここで待っていてくれ。」といい、うずらを持ち去った。朽ち果てたゆがんだ敷居や鴨がある畳の湿った屋敷の八畳間で待っていると、10歳くらいの卑しげな子供が出てきた。床の間の掛け軸を巻いては手を放して下に落とすことを繰り返す。喜右衛門が「そんな悪戯をしてはいけません」、というと子供は「黙っていよ」といい、振り向くとその顔は鼻も目も口もない「のっぺらぼう」であった。喜右衛門は仰向けに倒れて気絶した。その屋敷の使用人が倒れた喜右衛門を駕籠に乗せて彼の家まで運んだという[1]。
使用人によれば、別の日に小さな子供が家に上がってきてお菓子の棚を物色しているので、「何者だ」というと、一つ目の小僧で「黙っていよ」とだけ言って消えたという。
注[編集]
- ↑ 子母沢寛(2014)『幕末奇談』中央公論新社