ブライアン・マーズデン
(この記事は読み物です)
Brian G. Marsden (1937.8.5-2010.11.18)は、イギリス生まれの天体力学者で、アメリカ・ボストンのスミソニアン天体物理学研究所の国際天文電報中央局(CBAT)で、長年にわたってIAUサーキュラー(IAUC)の発行や、彗星・小惑星などの軌道計算を行ってきました。世界中の天文学者が購読していたIAUCの末尾には、いつも”Brian G. Marsden”という署名があったため、世界一有名な天文学者とも言われていました。
マーズデンは、多くの彗星や小惑星などの軌道を計算し、その軌道要素をIAUCやMPC (Minor Planet Circular)などに発表しました。特に”Catalogue of Cometary Orbits”は、「マーズデンのカタログ」とも呼ばれています。
また彼は、太陽を掠める彗星群の一つを発見しました。その彗星群は現在、クロイツ群(Kreutz Group)、マイヤー群(Meyer Group)、クラハト群 (Kracht Group)、マーズデン群(Marsden Group)の4つが知られています。これらの彗星の大半は、太陽観測衛星SOHOの画像から発見されたもので、その中でもマーズデン群は、近日点距離が0.05auと比較的大きく、公転周期が5~6年の彗星群で、多くの分裂片が繰り返し出現しているため、どれが同じ彗星なのか同定が難しい彗星群です。
1997年に京都で開催された国際天文学連合(IAU)総会で来日した時、彼のネームプレートには「火星伝」と書かれていました。この時に、彼の名前は「マースデン」ではなく、「マーズデン」であることが確認されました。「日本では60歳は引退する年齢だ」というと、「若すぎるよ」とまだまだ元気な様子でした。
1971年にパロマー天文台で発見されたヒルダ群小惑星(1877)Marsdenは、彼を称えて命名されたものです。