佐藤和真

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
カズマ (このすば)から転送)
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佐藤和真さとう かずみ
逢坂良太(オーディオブック)・福島潤(テレビアニメ)

佐藤 和真(さとうかずま)は、暁なつめによるライトノベル作品『この素晴らしい世界に祝福を!』に登場するキャラクター、同作の主人公。

概要[編集]

交通事故死した後、魔王討伐の使命を与えられ転生した少年。アクア以下4人の仲間でパーティを組んでいる

作中の年齢は16歳→17歳(WEB版では20歳)。誕生日は6月7日。一人称は「俺」。身長165センチメートル。 各メンバーの重大な騒動[注釈 1]には、最初は嫌々ながらも周りに叱咤されて、最後には必ず仲間のために立ち上がり、あてつけ・自己叱咤半々の態で「しょうがねえなあ!」と言い放つのがカズマの半ば決めゼリフとなっている。

死因は心臓麻痺。買い物に出掛けたある日、女子高生がトラックに轢かれそうになっていると誤認して突き飛ばし、助けたつもりになって自分が轢かれたと勘違いしてショック死した[注釈 2]

職業は転生した異世界で最弱職と言われる「(狭義の)冒険者」で、戦闘ステータスは軒並み平均以下である。知力が平均以上で幸運値が極端に高いが、幸運のステータスは冒険者にとってはほとんど無用の長物であるため、冒険者登録の際には(各種基本職、上級職を含む広義の)冒険者ではなく、幸運の高さを活かせる商人になるよう勧められた。しかし、冒険者となってからは数々の苦難をこの2つのステータスによって乗り切っている。知力の高さは、機転の良さと突飛な発想という形で発揮されることが多く、パーティーのブレイン・バックアップとして作戦立案や指揮を担当するほか、盗賊スキルを主とした様々な搦め手や小技、口八丁などを駆使し、敵を翻弄する術を得意とする。運の良さも筋金入りで、「スティール」や「狙撃」など、成功率が運に左右される技の成功率は極めて高い。

カズマが就いている「(狭義の)冒険者」は、全ての職業のすべてのスキルを獲得できるが、スキル習得にかかるポイントが他の職業と比較して割高であるため、カズマは初級魔法等、習得に必要なスキルポイントが低いスキルしか習得していない。しかし持ち前の機転と幸運値を活かし、スキルの性能を最大限引き出して使用している。例えば、「初級魔法」のスキルは、習得によって使える魔法のいずれも殺傷能力は皆無であり、本職の魔法使いでも普通は初級は取らず、いきなり中級魔法から習得する者が多いとされているところ、例えば土を生成する「クリエイト・アース」と風を起こす「ウインドブレス」を併用して目潰し攻撃に利用するなど、めぐみんなど本職の魔法使いも感心するほど器用に初級魔法を使いこなしている。

カズマの戦い方は、主に盗賊やアーチャーのスキルを用い身を隠して機をうかがい、複数の初級魔法を組み合わせた変則コンボやウィズから習得したドレインタッチを多用して意表を突く戦法を得意とする。魔王軍幹部をはじめとする強敵達との戦いを幾度となく切り抜けて行くことで心身共に成長し、特に興が乗った(本人曰く「本気出した」)状態では、王宮に詰める騎士や兵士たちを相手に「手練れ」と称されるほどの八面六臂の立ち回りを演じてみせ、クリスには「絶対に敵に回したくない」と言わしめるまでに実力も上げて行く。

カズマが「(狭義の)冒険者」に就職したきっかけは、冒険者登録当時の初期ステータスが軒並み低く、(他の職業を含む広義の)冒険者として就ける職業が「(狭義の)冒険者」しかなかったというものであるが、レベルアップでステータスが向上し他の職業に就けるようになっても、全てのスキルを習得できる冒険者の特長を最大限活用したいとの考えから、他の職業への転職は試みてもいない。また、財を築いてからは「鍛冶」「料理」など、戦闘には関係ない商売や生活力向上を目的としたスキルも習得するようになった一方、戦闘に役立つ高い殺傷能力を持ったスキルの習得には関心を示さない。その影響もあり、レベルアップに必要な経験値が他の職業に比べて低く、本来ならレベルの上がりやすい「(狭義の)冒険者」という職業に就いているにもかかわらず、カズマのレベルはパーティーメンバー中ほぼ常に最低であり、それを他のメンバーなどにからかわれることも多い。

もっとも、物語の進行に伴い「(狭義の)冒険者」職にこだわるカズマのスタイルは、次第に限界が見えつつある。レベルが上がるに従ってカズマのステータスは伸びが悪くなり、小説14巻時点ではまだレベル20にも達していないのに、レベルが上がっても運以外のステータスがほとんど上昇しなくなった(他のメンバーはレベル20以上、めぐみんはレベル40を超えている)。新たに習得したいスキルも見当たらず、レベルを上げるモチベーションが湧かない。これまで覚えたスキルで敵を翻弄することは出来ても、強敵相手になるとステータスが低すぎてとどめを刺せない。そんな悩みをめぐみんに打ち明けて同情され、女の子に守られる雑魚マさんとからかわれる。そしてカズマは現状打開を試みるどころか、めぐみんに甘やかされてますますダメ人間になっていく。そんなカズマに転機が訪れるのかは、今後の展開を待つしかない。

武器は剣(片手剣)のほか、「弓」「狙撃」スキルを習得してからは弓も多く活用している。自分用の武器として、鍛冶屋に依頼して日本刀に似せて作った剣を新調しているが、どんな名前にするか迷っている間に、苛立っためぐみんにより「ちゅんちゅん丸」という奇妙な名前を命銘されてしまったことから、あまり活用していない。防具は筋力不足のため、軽装のものしか装備できない。

基本的には怠惰かつ享楽的で、序盤の貧しい頃や借金を抱えている頃は生活のために冒険者稼業を頑張るが、借金を完済し生活に余裕が出てくると、危険を冒して戦うことを嫌がる言動が多くなってくる。冒険者としての本来の目的は、魔王を倒して何か一つ願いを叶えてもらうことであるが、かなり早い段階から魔王討伐という目標を諦めかけている。自分の目標は享楽的な生活を送ることであり、この異世界で金持ちになり享楽的な生活を送れるなら無理に魔王を倒す必要はないと考えている節がある。もっともそれで首尾一貫しているわけでもなく、活動のタイミングや内容は自身の機嫌や気分次第でがらりと変わり、大義名分さえ得れば暴走に歯止めが利かなくなる面もある。

女性に対し容赦のないセクハラをすることが多く、更にめぐみんのスカートの中をさりげなく覗き見しようとしたり、ちょむすけを手なずけてめぐみんの下着を盗もうとするなど、カズマ自身が言及していない隠れたセクハラも少なからず行っている模様である。また、相手が魔物であろうが人間であろうが、戦うときには正攻法ではなく容赦のない卑劣な手段を用いることが多い(もっとも、弱いキャラなので正攻法では勝ち目がないという事情もある)ため、アクセルの人々には陰で「カスマ」「クズマ」「ゲスマ」「ロリマ」など様々な蔑称で呼ばれている。とはいえ心根は小心者であり、特に一線を越えてしまいそうになったり、強力な敵に遭遇した際には途端に弱腰になったり、真っ向勝負になると滅法弱くなるために周りからは容赦なく「ヘタレ」呼ばわりされている。冒険者や魔王軍の一部からは「鬼畜のカズマ」「アクセルの鬼畜男」として恐れられている一方、数々の賞金首を討伐した功績から「成金冒険者」「運だけのカズマさん」といった渾名もあるなど、日頃の行いの悪さ故に人としての評価は最悪である。現世でも「レア運だけのカズマさん」や「母親泣かせのカズマさん」など不名誉な通り名で呼ばれていた。

他方、仲間想いという一面もあり、アクアに「ロリコン」とからかわれるほどの子供好きな青年である。特に、転生前から「義理の妹」という存在に強い憧れを抱いており、親に「義理の妹が欲しいから離婚して子連れの親と再婚してくれ」などとバカなことを訴え殴られた前歴を持つカズマは、ベルゼルグ王国の第一王女アイリスを待望の「義理の妹」として溺愛しており(なお、同じ年下の美少女ではあっても、カズマにとってめぐみんは「ロリ枠」であり妹とは違う存在らしい)、保護欲をそそられたいざという時の行動力は凄まじいものがある。周囲の人間からはぞんざいに扱われながらも「なんだかんだ言って最後には助けてくれる」と信頼されているが、その一方で「素直じゃない」「ツンデレ」とも揶揄されている。

持ち前の幸運の高さから、じゃんけんに関してはエリス(クリス)を相手にしたとき以外ほぼ無敵である。しかし、その割には些細なミスやトラブルによって死ぬことが多く、そのたびにアクアに蘇生してもらっている。魔王軍幹部や強敵との遭遇など厄介事に巻き込まれるたびに、自分は幸運どころか不運だと思って嘆き続けるが、その厄介事を解決していくことが「魔王の幹部の複数討伐」や「機動要塞デストロイヤーの破壊」など数々の偉業の達成に繋がり、物語が進むにつれメンバーと共に徐々に名を上げていくあたりは、まさしく幸運のなせる業といえる。

恋愛面ではハーレム志向を自認しており、特定の異性に対し一途な想いを寄せる傾向は見られない。死んだときに出会えるエリスを見て「初めて恋愛対象になる女性を見つけた」と自覚し、小説第8巻ではエリスと同一人物だと判明したクリスに対し「好きです」「付き合ってください」「結婚しませんか?」などと発言する一方、別にエリス(クリス)に一途というわけではなく、仲間のめぐみんに好意を寄せられると、次第にめぐみんのことも好きになってしまう。小説第12巻では、めぐみんとの対話を経て告白し、めぐみんと「友達以上恋人未満」の関係になる。次の日にはダクネスからも告白されるが、前日めぐみんに告白したばかりの身で他の女性の好意に応じることはできないと告げて一応はダクネスを振る。だが、浮気はしないがダクネスに押し倒されてエッチなことをされるのは浮気ではないから構わないと考えており、ダクネスに言い寄られても積極的な抵抗はせず、ファーストキスはダクネスに奪われている。

カズマの思惑としては、めぐみんやダクネスだけでなく、あわよくばウィズもゆんゆんもアイリス王女もエリス様(クリス)もみんな自分のものにしてハーレムルートに持ち込みたいと考えている節があり、主要な女性キャラの中でカズマが明確に恋愛対象として見ていないと断言しているのはアクアとこめっこだけであるが、恋愛経験がないため二股をかける勇気はない。物語が進むにつれて良い感じになってきためぐみんやダクネスに対しても、彼女らからモテるのは良いが、一線を越えて責任を取らされる事態になることには概して消極的であり、特にダクネスとの結婚は明らかに嫌がっている。その背景には、サキュバスのお店を利用すれば自分に都合の良い夢で性的欲求を発散できるので、性的欲求を満たすために様々なリスクを冒して一線を越える必要性に乏しいという事情もある。その一方で、自分がなかなか童貞を卒業できないのは、何者かに呪いをかけられているせいではないかという悩みも抱えており、一線を越えたいという欲求が無いわけでもない。客観的に見れば単なる優柔不断である。

完結しているWeb版では、冒険者として身に着けたスキルとアイテムと自らの機転によりチートを用いずに、魔王と一騎打ちの上制している。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ダクネスのアルダープから求婚騒動、めぐみんの紅魔の里への旅、アクアの魔王討伐など。
  2. 現実には女子高生の前に迫っていたのはトラクターであり、轢かれるおそれはなく、女子高生に無用の怪我を負わせて自分も死亡するだけに終わった。なおWEB版ではショック死せずに気絶してそのまま病院に搬送された後、治療の際に看護師が他の患者に投与するはずの薬を誤って投与してしまい死亡、という設定であった。

出典[編集]

外部リンク[編集]